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作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。

いにしえの息吹「朝宮茶」@滋賀県信楽町

滋賀県甲賀市信楽町 朝宮茶。
宮が付いているので、なんとなく厳かなイメージでした。
ここはあの有名な「信楽焼」の産地ですが、その昔は「朝宮茶」の方が知られていたそうです。
千二百年の歴史を誇る日本最古の銘茶。

朝宮茶は、今から1200年前、嵯峨天皇御代が岩谷山(現在の仙禅寺一円:信楽町朝宮)に茶の実を植えられたのを起源として、今日まで永い歳月に磨かれ、広く有名な茶人達に愛されてきました。
日本五大銘茶である朝宮は、京都府と滋賀県との県境に位置し、標高が400mほどの高地、昼夜の気温差が激しく、霧が多い気候風土である事から、日本でも最上の茶産地と言われています。

スンバラシイ!
どうりで生産者とお話しすると誇りと自信に溢れてらっしゃる方が多い。
「最高の宇治茶はこの朝宮のお茶です!」と。

最も見晴らしの良い畑。

一面の茶畑ですが、これ摘むの大変でしょうね・・・

朝宮茶は、天皇献上茶として伝統の製茶を今に守っています。

ここのお茶、頂いて率直に「深い!」と感じました。
共同工場を見せてもらったのですが、全国の茶園さんによくあるあのメジャーな設備メーカーではなく、聞いたことがない会社の設備でした。(現在は既になくなっている会社)
それを大事にメンテナンスしながら数十年も使っているそう。
それよりも、何だか茶葉自身の香りに特徴がある、葉っぱそのものが伝統?という様な、何だか高貴な茶葉の芯の強さを感じます。
飲み込んだ後のふんわりとした甘さもビックリ。。。
「これ、やぶきた?」
定番のやぶきたも地域が変わればここまで味わいが違うのか・・・
僕にしては珍しく静かに驚愕しながら、改めて日本の古都のお茶をしみじみ頂きました。

茶畑に向かう途中、寄ってくれたのはここ「岩谷観音仙禅寺
朝宮茶発祥地の碑。
おごそか。

茶の道は朝宮に始まり、朝宮に終わる、と言われます。
かの俳聖、松尾芭蕉もこの地を訪れて茶に纏わる一句を詠んでいます。
「木隠れて茶摘みも聞くやほととぎす」

京都御所にほど近いこの朝宮の茶産地をゆっくりと巡っていましたら、他の地域とは違う趣を持つ姿に多く出会えました。

今回ご案内して頂いた、黒田さん、お茶の生産と製造をされておりますが、立派な古民家のご自宅で息子さんがそば屋を経営されております。
 
この家屋、福井県から移築した古民家。
針は太く、内装もかなりな文化財的な感じです。
大人気の手打ちそばと朝宮茶の店「黒田園」
ランチは毎日ウェイティングがかかっています。
地域の方々に愛されている人気店。
中は広く、土間から小上がり、複数のお部屋があり、信楽焼も販売していました。
僕はクラフトが大好き。特にやきものにシビレマス。
おや?
誰かと目が合ったと思いきや・・・
そう信楽焼を代表するビジュアル系「たぬきの置物」
これ縁起物と言われる理由は、
「他を抜く」「太っ腹(腹鼓)」に通じることから、古くから縁起物とされており、商売繁盛のために店先に置くのもその為なんだとか。
そう言えば、「黒田園」さんの店名が、お腹に書いてある!
黒田園さんのたぬきは、目がクルリン!としていて、とても可愛かった。
信楽のタヌキはどれも愛嬌の塊。
センス良いお皿も販売中。

お茶の生産者のそば屋は初めてだったので、メニューを見てもどれも美味しそうでなかなか決めきれず、生産者にお任せしました。
そして選んでくれたのがこれ、「鴨南蛮」

お上品ですね。お出汁が関西。
鴨肉もふんだんに入っておりました。
ペロリ!と食べあげた後、まだ入る・・・

そして。
お茶の生産者の店です。ここ。
だからこその味わい。「茶そば」

自園の朝宮茶の「茶そば」は濃かった~!
生産者のプライドが入っている感じ。
色からして濃いでしょ?
これに強いうまみのつゆが良く合ってかなり美味しかったです。

朝宮茶。
何だかとっても楽しくて・・・

お茶と陶磁器だと、九州では嬉野が有名。
嬉野茶は佐賀県なので、有田焼や伊万里焼が有名な産地。
嬉野茶の地域には吉田焼というブランドがあり、そこと一緒に茶器を開発したり。
地元の陶磁器会社とコラボした取り組みをスタートしていますね。
もちろんここにもそのコラボがありました。
朝宮茶と信楽焼。

次回はそのお話。
お楽しみに。

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