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作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。

いにしえの息吹「朝宮茶」翌日@滋賀県信楽町

前回に続き、朝宮茶と信楽焼のお話。

ちょうど前年にNHKの連続TV小説「スカーレット」が放送されており、信楽はザワザワと賑わっていました。

信楽焼。土と炎の器ですね。
僕も大好きでいくつか持っております。

朝宮は古くからの茶産地なので、これまでも当然、朝宮のお茶は信楽で煎れていたそうです。
テーブルにある湯飲みが信楽だったり。
信楽焼は日常のもの。羨ましい・・・

その日は午前中、朝宮茶栽培製造「昇龍園」さんにお会いしました。

ここ朝宮も茶農家さんは高齢化しておりますが、その中でも若手の服部さん、ご自身で朝宮茶の発信をいろいろとなさっており、この地域を牽引する生産者。
前日にも多くの朝宮茶を頂いたのですが、今日は服部さんが自らワクワクするお茶を煎れて下さいました。
2017年、2018年、2019年の煎茶。
驚いたことに、まだ新茶の香りがする2017年。
2018年と2019年の香りが全く違う。面白いですね~。
どうすればこんな良い香りになるのだろう??

お茶はワインの様。
その年の気候などにより微妙に変化する。
農産物なので当たり前なのですが、お茶もこの頃は年度による味わいの違いを楽しむことが出来るようになりましたね。
お茶を味わう側(消費者)の多様性。
それも作り手を変化させている部分かもしれません。
左から2017年、2018年、2019年。
朝宮茶の底力を感じるお茶。
昇龍園さんのパッケージはとても分かりやすく、シンプルで欲しい情報が全てある。
それと、葉っぱを見て下さい。これ強くてしなやか。
各年代のお茶を飲み比べる日が来るなんて・・・
朝宮茶、面白いです。

さて
服部さんが煎れてくれたお茶も素晴らしかったのですが、同時に感激したのは、その茶器。
これ、信楽陶璃窯 大西左朗さんに依頼して作ってもらったそう。
茶の樹を改植する時に出てきた茶畑の下の粘土を持ち込んで焼いてもらったもの。
ストーリーと言い、サイズといい、持った感触といい、お茶を煎れた時の色といい、全てがちょうどよい。
早速、大西さんの工房に伺いました。
もう一組、茶園の粘土で作っていたみたいで、その器で農林水産大臣賞を取ったお茶を頂きました。
それを煎れてくれた気持ちが嬉しい。
とても朴訥な感じで話しやすい大西さん。
そのお人柄も素敵で、工房の中には、大西さんの世界が広がっていました。
これで煎れるとさぞかしお茶も美味しいだろう!これは釉薬をかける前。これから一廻りほど小さくなるそう。
一緒に伺った、黒田園の黒田さんも、ご自身の茶畑の下には粘土があるそうで、それで焼いてもらいたいと言われてました。
ここには良い土がある。

大西さんとお話をしていると
無性にこの茶器が欲しくなり・・・
お茶を煎れた時の姿が想像できて。
しみじみ穏やかな良い時間を過ごしている自分も想像できる。
服部さんの茶畑の土がまだ残っていると聞き、それでワンセット注文しました。
いつできるかなーと楽しみにしており、ついに・・・

じゃーん!!
それは木箱に入っており、茶会に持って行く時などに便利!

湯冷まし×1
急須×2
湯飲み×8
飲み比べできる十分な数。
乳白でぽってりやわらかい色合いと質感。
細かく入った貫入も美しい。

この木箱をひっさげて多くの方に日本茶のカッコよさを伝えよう!
まだ自由に動ける状況ではありませんが、今だからこそ準備万端整えて。

朝宮茶と信楽焼。
最高の組合せ。
深い産地の深いお茶。

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