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作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。

農業観光(フードツーリズム)@熊本県芦北・津奈木・水俣

2017年3月3日(金)~6日(月)3泊4日の熊本県南部の暮らしを体感するツアーが開催されました。
今年は昨年に続き2回目。
外国人と邦人が7:3の割合です。

昨年度は秋の11月に。今年度は年明け3月に。。。
その理由は、この地域で力を入れて生産されている「牡蠣」をメインにしたから。。。
牡蠣が育っている海へと「うたせ船」でクルーズ
少し曇っていましたが、波もおだやかで、クルーズ日和!

牡蠣の殺菌工場も見せてもらい、安心な牡蠣と認識したところで

その牡蠣を使った加工品のオイル漬けにチャレンジ

香港の方達はマイエプロンを持参しており、やる気満々
牡蠣だけではなくて、地ダコも入れて、豪華なオイル漬けに。

それそれが楽しみながら(つまみ食いをしながら)オイル漬け作り。
これは夜の晩酌のおつまみになります。

そしてお待たせしました実食の時間「牡蠣焼き」

ここは熊本県南部の人気直売所「でこぽん」にOPENした牡蠣小屋。
県南部は今年から常設の牡蠣小屋がOPENしています。津奈木町の直売所「グリーンゲート」と水俣の直売所「まつぼっくり」にも。
私達が頂いたのは「芦北まがき」

地元でとれる天然えびの「足赤えび」や「檜扇貝」も。
牡蠣はひとり1kg以上たっぷりと頂きました!

このフルコースのメインイベントの他、今回工夫したのは
「暮らしている実感」を感じてもらう、この地域に「再訪してもらう」事の2点。

まずは、いつもの旅館やホテルを止め、自炊が基本のログハウスを予約。
ここはよかった~!
布団を引く事、使った物は自分で洗う事、など自分の事は自分で!が基本。

海に面して広大な敷地に点在するログハウス。
本当に気持ち良い!

海の向こうには天草諸島が見えます。

ログハウスはこんな感じ。
木の良い香り!まだ寒い時期なので、こたつがあって、これまた海外の方には感動もの!
御立岬「マリンハウス

生産地である熊本県の芦北・津奈木・水俣の生産、たった4日間で全てを実感してもらうことはできません。
そこで海外だけれど、そこに暮らす体感や実感が残ったらどうでしょう?
風光明媚な観光地は多いけど、見る記憶だけ。
ご自身の手で何かを作ったり自分で料理してみたり、その実感が身体の中に残っていたら、いつもの海外旅行がより深いものになりませんか?

毎朝それぞれが、朝食を作ります。
この地域のお茶生産者の紅茶を全種類揃えています。
地域の牛乳、地たまご、人気の天然酵母の焼きたてパン、てづくりヨーグルトに手作りハムソーセージ。
そして、柑橘の生産地ならではの複数のみかん達。
摘み立てのスティックブロッコリーをさっと湯がいて、天然塩をパラパラとふるだけでかなり美味しいサラダが出来上がります。
塩トマトも華を添えて。

ここでしか出会えない、とびきりの食材ばかり。

他にもこんな素敵な生産者を訪問しました。
黒砂糖の「ばらんち」さんの竹林でのたけのこ堀り。

竹林と黒砂糖?
かけ離れている様で、密接に繋がっています。
ばらんちさんの黒砂糖は、サトウキビの栽培からスタートします。
耕作放棄地だった畑を開墾して。
サトウキビ畑には農薬や化成肥料を一切使いません。
土壌の微生物を良好に保つために、竹を粉砕したパウダーを使います。
1mmの中に乳酸菌群が数億万個含まれている。竹は乳酸菌の塊なのです。
それをサトウキビ畑に入れると、土壌の環境が健全に保たれ、元気にすくすく育ち立派なサトウキビが収穫できるのです。
この竹林は、黒砂糖の味の秘訣!

初めてのたけのこ堀り。
たけのこを見つける事も一苦労。まだ始まったばかりでとても小さかったです。

大きな竹を専用の機械でパウダー状にします。

ばらんちの代表松原さんの地域を守る思いも繋がり、とても良いご縁が生まれました。

その他のスペシャル生産者達。
国指定有形文化財「赤松館」での お茶のカジハラさんの茶話会

前回に引き続き「モンベール農山」さんの豚バーベキュー

水俣茶生産者の雄「坂口園」の坂口さん

ログハウスがある敷地内での塩づくり(ご縁づくり)

綺麗な海水を汲み上げて、それぞれがマイ塩を作ります。

ちょうどシーズンだった「いちご狩り
JAあしきた経営

スペシャルディナー
食道列車「肥薩おれんじ鉄道
電車が入ってきたとたん、歓声の嵐!

初めての体験で皆さん、笑顔!

列車内では素敵な生演奏もあり・・・
ジョニーディップ似の演奏者で女性に大人気!

盛りだくさんな内容で、4日間熊本県南部地域を巡りました。
終わった後のレポートにの中で、一番印象に残ったのは
「こたつに入って自分で作った朝食を食べた事」でした。

正に実感ある「日本での時間」

このような産地ツアーは受け入れ側の地域の方達に「外国人の方々に慣れて頂くこと」が最大の目的です。
有名観光地のこなれた対応ではなく、日常にある地元の方との付き合いの延長線上に、観光客がいれば、リラックスして交流でき、自分で考え巡る事ができる。
こちらが想定した事以上の感覚を持ち帰ってもらうために、押しつけのツアーではなく、発見するスペースを持たせる事が重要だと感じました。

熊本県、芦北・津奈木・水俣の行政の方々からも多大な協力を得て無事に終わる事が出来ました。
皆様、誠にありがとうございました。

まだまだ全国にある、素敵な地域を今後更に発信していきます。

最後に
今回のツアーを告知した時に、参加者からのご要望で急遽入れた工程です。
熊本地震の被災地を通りたい。
海外でも多くメディアに取り上げられ、現在がどうなっているのかを知りたいというお話でした。

それぞれが被災地を感じ、熊本に少しでもお金を落とせたら・・・と。
頑張っている方に掛ける言葉は、祈っています、でした。

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