作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。
気持ちの良い初夏の日。
関東と関西に生産地がメインのホテルができていると聞きつけ早速訪問。
外国人や邦人を対象に生産に特化したツアーを企画実施している当社としては、待ってました!という感じ。
みなさん、地方でホテルを予約する時は何を基準に決めていますか?
1,温泉など設備が整っているホテル
2,夕食など食事の評価が高いホテル
3,設備はそこそこだけど行きたい場所に近いホテル
ほとんどの方が、上記三点、他価格などで決めるのではないでしょうか?
今回のお話は、このどれでもないホテルがとうとう日本に登場した話。
今後この様なスタイルのホテルを利用すると旅の方法や目的が変わるかもしれません。
これは、旅行代理店やホテル任せではなく「自らが旅を計画する(考える)事」が必要になります。
このホテルを起点に「地域のトッピングを自由に選ぶことができる」と言った方が良いかも。
この様に自由度が高いホテルの「楽しみ方のコツ」みたいな感じでご紹介します。
さて
積水ハウスとマリオット・インターナショナルが「道の駅」をハブとして
新しい旅のカタチを提案する「Trip Base道の駅プロジェクト」
道の駅に近接したロードサイド型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」を各地でオープン。
「どこの地域にも必ずある道の駅や直売所を拠点に、滞在型観光の仕組みができないか・・・?」
ちょうど当社が農業観光ツアーを始めた10年ぐらい前にそう思った事があります。
それは「福岡県糸島市」のブランディングで、いろいろと事業を行っている時期、人気の直売所「伊都菜彩」(日本一の売上高になった直売所)で痛烈に感じて・・・
ここに集まる人のパワーを「点」ではなく、地域全体に「面」で波及させることができれば・・・
広域的な波及効果は、その先にある生産の後継者対策や移住などに繋がり、地域が抱えている課題解決になる。
その時はまだ現在の様に「インバウンドは当たり前」的な世の中ではなかったので、提案はするものの、実現することはありませんでした。
こういう提案はタイミングが重要ですね。
さて、
この道の駅プロジェクトは既に何棟もOPENしているけど、今回伺ったのは日本茶の産地である
Fairfield By Marriott京都南山城(みなみやましろ)
既にある道の駅をリニューアルしたのではなく、ここは新しく作ったみたい。
右手前が道の駅、奥がマリオットホテル
ここは、日本茶をフックとした施設になっています。
本場京都の抹茶。
道の駅の敷地はかなり広かった。
また屋外の芝生広場にはドッグランも。
何だか総合的に「今の旬」をすべて詰め込んだ感じ、でした。
店内はこんな感じ。
駅の売店で売っている様な箱もののお菓子も多かった。
郊外の道の駅には今や鉄板の「ジビエ類」の冷凍肉なども。
人が多くてあまり画像は取れなかったけど、
この様なジビエ類は、お酒のツマミに塩コショウで焼いて食べたら美味しい。
ジビエはもはや、道の駅や直売所の定番商品。(それほど獣害が多いって事)
野生の動物なので、その地域の作物を食べて育っている正に「地元の味」
だから僕は、地域の味わい(テイスト)を感じる為、ジビエを見かけたら必ず食べてみる事にしています。
同じ猪肉や鹿肉でも、地域によってかなり味に差がありますので楽しい。
お茶コーナーはこれ。
お茶は、地域の生産者が全て網羅されている感じ。
また、オリジナルのペットボトル茶、抹茶スイーツと正にお茶に関連する商品のボリュームは大きい。
それがここのフックだから当然ですが・・・
この道の駅がある位置は、京都府の奥の奥、滋賀県と三重県の県境。
ですので三府県の加工品が広く集まっており、また地元のスーパー的な役割も兼ねている様で日用品やコンビニテイストの品揃えも。
スイーツのコーナーが行列。
ここに来て、何かしらのスイーツを食べない人はいない。
抹茶を使ったアイスクリーム達。西日本のスイーツ大賞に選ばれた様です。
あと、ここのオリジナルで串団子があり、これがなかなか美味しかった。
ほうじ茶のタレがかかってる。
もっちりして、香りも良く。
冷たい抹茶にソフトも抹茶だとクドイので、バニラにしました。
抹茶、濃い。
バニラはよくあるメーカーの味。
この道の駅は株式会社南山城という企業が運営を行っている。
そうだろうな・・・と思う部分は随所に見受けられました。
利益が取れる割と高めな加工品は全てここ。
関西らしいテキパキとした接客は好印象。
でも、リーフやティーバッグのお茶さえも、何故か株式会社南山城の商品がある。
お茶は各生産者の完成品が十分にあるので、そっちの方がいいなと思いました。
この様な道の駅や直売所、何を主軸に考えるか?でその構成が大きく変わります。
ここは、2→3→1の順で考えていったと思われます・・・
よくあるJAさんが経営する直売所だとこの順番が1→2→3の順になることが多い。
1,地域生産(生産者)
2,観光客(お客様)
3,企業(運営側)
道の駅だから当然、生産者が販売委託する生鮮品などもありますが、
その価格、加工品が高いだけに、こちらは安すぎる感があり。
これは生産者の直接の手取りに影響しますので、あと二割程度は上げて良いかと・・・
米、シイタケや大根、貴重な地域の山菜なども。
店内にあるレストラン つちのうぶ
特産のお茶を使ったメニューになっています。
茶そば、茶飯、他にはカレーなど。
養鶏場が近くにあるのでしょう。
卵が山盛り。
日本酒のコーナーもあり随所に、外国人を意識しながらも国内も充たすよ、的な創りになっていました。
今人気のフルーツサンドもあったりして、漏らさず国内の人気コンテンツを押さえてる感じ。
でも、これでは全体的にお腹いっぱい感が・・・
道の駅は観光案内所だから「ここから旅が始まる」という気持ちで来れば楽しいかも。
ただそれを考察する空間がありません。
おそらくここは、今後更にバージョンアップする可能性が・・・
農水省の茶販売促進緊急対策事業を活用している様です。
ホテル+道の駅構想は、地方創生事業ですので他にも国の事業を活用しているかもしれません。
また今後、北海道や九州にもこの道の駅プロジェクトを広がる様です。
北海道は、道東でないのがちょっと残念。
あと九州は、やはり鹿児島でした。
この道の駅の楽しみ方、少しでも伝わりましたら嬉しいです。
次回はそれを持って、いよいよホテルにチェックインします。
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