作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。
5月は長い出張です。
まずは鹿児島阿久根へ。
薩摩半島(鹿児島の西側)の北部、熊本寄り。
ここの魚は旨い!と鹿児島県人が言います。
頂いたのは漁協が経営する食事処で「タカエビ御膳」
これだ!
タカエビとは別名「薩摩甘エビ」とも呼ばれる、おいしーいエビ。
刺身にお寿司、エビフライと大好きなおかずになって登場しました。
東京のスーパーで良く見る冷凍のひょろ長いベッチョリとした甘エビとは似て非なるもの。
歯触りは柔らかいのですが、大振りで食感も残り、反りくり返った形もいい。
香りもスッキリ、甘ーくとろけるエビ。
美味し過ぎて10分で食べ尽くしました。
デザートの「きよみ」まで美味しかった。
素材は全て地元のもの。フフフ。これだから地方の魚市場は止められない。
ゆったり、まったりとした鹿児島弁もとっても心地よい。
空は快晴!気持ちよかー。
今日は下窪さんの二番茶の視察。
下窪勲製茶。ここのお茶はスゴイ!
自家製の発酵肥料をタイミング良く畑に漉き込み、お茶が生き生きと育つ事に努力を惜しまず、最後の一滴まで旨いと言わせる日本茶を作り上げる。
二番茶でこの勢い!
ぷっくりと美味しそうな茶葉。
茶葉を「美味しそう」と思えるのはココだけ。
どの畑より葉が厚く、ふわふわで「幸せな新芽」です。
新茶の試飲。
とても良い。
香り、旨み、甘さ、喉越し、後口。
全て良い。
いつもありがとうございます。こんなに美味しいお茶を頂けるなんて・・・
鹿児島で元気をくれる、下窪勲製茶の三代目、健一郎君。
このお茶のように、心がスッキリとした、芯のあるよか男。
鹿児島県南九州市頴娃町(えいちょう)ここの地名です。
えい茶と言う呼び名は、県内では通ってますが、関東には知られていません。
字も難しいし・・・まず何て読むのかわからなかった。
この頴娃町産のえい茶は日本一の出荷量を誇ります。
でも知られていません。
お茶の呼び名はとても不思議。青果では考えられません。
100g中に幾つかの産地が同量ブレンドされていたら、販売する人が好きな産地名を付ける事ができます。
静岡茶と書いているお茶も、中身の半分はこのえい茶だったりするのです。
宇治茶も半分は鹿児島茶だったり、静岡茶だったり。
それでずっと通ってきたのです。
今の厳しい産地証明制度からは外れた逸品。
それをほとんどの方は知りません。
下窪さんのお茶は自家茶園で栽培・収穫し、自社工場で製茶したものだけ。
100%下窪勲茶。まじりっけ一切なし!
作り手が加工するからこそ、きめ細やかな製茶ができる。
畑によって微妙に蒸し時間を変えたり、モミを変えたり。
工場はISOの9000番と2000番を取得しております。
栽培技術も工場規格も全て整った立派な茶業。
畑は健一郎君、製茶は父の数幸さん。
社名は祖父の「勲」をとって、ここの社名は「下窪勲製茶」です。
勲さんの代から東京のうおがし銘茶にも卸しています。
良いお茶には「理由」があります。
良い生産物には必ずストーリーがある。
そのストーリーを、食べ、飲んで下さる方にお伝えするのが私の役目。
それと、畑には「本当」があります。
「本当」を知らずに、想像で農業を語る方の多い昨今。
学ぶべき場所は机の上でも、本でもTVでも、交流会でもなく、畑にあります。
学んだからこそ畑に立てば、より深く理解できる事も多くあります。
畑での先生は農家さん。農家さんが貴重な話を聞かせて下さる。
自分の引き出しの一つ一つに、その言葉を詰め込んで、下窪さんのお茶も大切に販売させて頂いております。
よい物を作って下さるからこそ、成り立つ商売。
一人で完結できる事なんて何一つない。
だから楽しいのです。
農家さんの思いを背負い、その思いが応援してくれて、胸を張って仕事ができる。
何百人もの応援団と一緒に仕事をさせて頂いております。
いつも、いつも、ありがとうございます。感謝です。
鹿児島で、「幸せの白いレンゲ」を見つけました。
子供の頃、姉が王冠を作ってくれて、中央に白いレンゲがあったっけ。
鹿児島に来ると、脳ミソが活性化し、良いアイデアが浮かびます。
みんなが良くなる事。みんなと笑いあえる事が。
前回も今回も、次回も。
訪れる度に未来の自分への種蒔きをしているように思います。
皆様、ありがとうございます。
綺麗な花を咲かせられるように、これからも努力致します。
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