作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。
このキャベツ「みつおの野菜」です。
みつお君は、先日干し大根を見せてくれた製茶農家下窪さんの同級生。
鹿児島でお茶と野菜を作っています。
とても前向きで明るい生産者が多い南九州市。
みんな良きライバルです。
そのベクトルは明るい未来に向かっていて。
継承者がなく耕作放棄地が増える一方の暗い農業界に於いて、とても頼もしい存在。
農家同士、他に負けまいと少しでも良いものを作ろうとしています。
これがみつおのキャベツ畑。
畔は草ボーボーでしょ?
除草剤、使っていません。
みつおの栽培はバイオダイナミック農法。
バイオダイナミック農法とは?
太陰暦に基づいた「農業暦」にしたがって種まきや収穫などを行い、また牛の角や水晶粉などの特殊な物質を利用する有機栽培の一種。Wikipedia参照
牛の角や水晶粉などは使う農家さんは少ない。というか見た事ない。高価だし。
月の満ち欠けに応じ作物を栽培・収穫すると言った方がわかりやすいのでは。
先日、枕崎のスッペシャルな焼肉屋で農家3人と飲んでいた時の話。
みつお「僕の農業は月の動きによって管理をするようにしてます~」
下窪さん「です、です~。それによって管理の仕方を変えるのはここら辺では当たり前なんです~」
みつお「先日、ママさん達がたくさん畑に見学に来られて。その時、一人のママさんが何故この野菜は虫が食ってないのですか?農薬を使っているのか?という質問をされたわけですね。そこで僕は満月の前後3日間被覆すれば、虫食い野菜にはなりません。虫が野菜を食べるのは産卵を控えたその時期だけですからと言いました。そうすると、女性ですのでとても納得して下さってですね~」
下窪さん「です、です~。うちも施肥をするタイミングは月を見てやります。」
こりゃぶったまげな鹿児島の若い農家!
しっかりと先代からの知恵を受け継いで農業を経営している。
農薬は、農家さんはできれば使いたくない。
750mlで10万を超える薬もあるぐらい、とても高価なものなのです。
畑に撒く農家自身がいちばん農薬を浴びます。
浴びたくない。
でも地球の日々変わる気候の変化で、どんなに気を付けていても野菜が病気になることがあります。
人間だって、あまりに急激に寒くなったりすると風邪をひきます。
そんな時は薬を飲んで元気を取り戻すことがあります。
野菜も同じ。
病気になった野菜をほったらかしたら、他に病気を移してしまいます。
野菜の病気は広がるのが早い。モタモタしていたらすぐに畑全体が病気になる。
だから病気の野菜だけに、規定に基づいた適切な農薬を使います。
適量の程合いがわかってる。多すぎてもダメ、少なくてもダメ。適量です。
そして短期間で元気を取り戻し、しっかりと農薬が切れる時期が過ぎ、他と遜色ないほどに育ってから出荷します。
1反の畑のほんの2、3個病気が出たから農薬をかけました。
他の数百個には農薬は使っていません。
でもその畑で採れた野菜は無農薬ではありません。
一滴でも農薬を使っていたら無農薬とは言えません。
たとえ、自分の畑で使っていなくても、隣の畑で農薬を使う栽培をしていたら、その野菜は無農薬とは言えません。
農薬は風に乗り飛散する。大地は繋がっている。
月の満ち欠けのリズムに合わせて、種まき、管理、収穫しているみつおの野菜。
無農薬ではありません。
無農薬が野菜の価値ではありません。
オーガニック野菜とは有機JAS認証を受けた野菜の事ですか?
でも有機JASで使用許可されている殺菌剤や殺虫剤が山の様に有るのです。
そのような農薬達をたっぷり使った有機JASの野菜とみつおの野菜、どっちが良い野菜と言えるのでしょう?
一般的には有機JAS認証の野菜や、自称オーガニック野菜が良い野菜と思われている風潮があります。
消費者も何を選んで良いのかわからないから、なるべく自然チックなものを選びます。
食べ物は人様の口に入るもの。
薦める立場の人間が、農家の代表選手として、消費者の代表選手として正しい見識を持たなければ!と常日頃思います。
究極、野菜選びとは「誰が育てた野菜なのか?」ではないでしょうか。
みつおのキャベツを持って飛行機で東京に帰りました。
重かったけど、みつおの良心が詰まってた。
芯の柔らかさとジューシーさ、優しい甘さは、鹿児島の太陽の味がした。
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