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作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。

七夕そうめん@長崎県島原

今日は七夕。そして「そうめんの日

本格的な夏を迎える前の梅雨の時期。久しぶりに長崎を訪れました。

知人から紹介頂いた、「手延十六雑穀麺」の生産メーカーさん訪問です。

この長崎島原は日本三大手延べそうめん生産地。

三大とは播州、三輪、そしてここ島原です。

今回は「長崎県手延素麺製粉協同組合」の理事長さん本多さんの工場を訪ねました。

元々は製粉所。だから「製粉」なのです。

小さな工場が集まった組合。

それぞれの組合員さんが独自のブランドを持っていたりします。

1550年、長崎平戸にポルトガルより「フランシスコザビエル」がカトリック布教のため上陸し平戸が開港、その頃から長崎は南蛮貿易が盛んな地域となります。

長崎のいたる所にある「教会」が熱心な布教活動を物語りますし、「」をみてもカステラやちゃんぽんなど異文化の影響が多く見られます。

素麺の歴史には諸説ありますが、中国と日本を往来する禅僧により「索麺」(サクメン)麺としての技術が入った素麺の原型と言われています。

麦をどのように美味しく食べて頂くか?

素麺とは「小麦」を美味しく食べるものなのです。

作りたての素麺。

綺麗ですよ。正に「天の川」の流れの様。

風にそよいでおります。

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カットする前は身長?180cmほど。

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衛生的に管理された部屋で、ファンを回し温度と湿度を一定に保ちながら生麺を乾麺に変えます。

ここは本多さん親子三人で経営する工場です。家族経営。

動きが多い部分は息子さん担当。

乾燥が済んだ長い麺を均一にカットする機械に乗せます。

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カットされた先で待ち受ける、お母さん。

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一切無駄の無い、職人さんの手さばき。

カットされた素麺は向きを整える機械に入ります。

長年の経験。一目見ただけで曲がっているそうめんを見つけ、外す。

ここが本多さんの麺のクオリティの高さ。

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最後の仕上げは、お父さん。

小袋に詰める前の厳しい品質チェック。

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島原ではこのような家族経営の工場が、伝統の技術を支えています。

一連の工程を見ていると、素麺が「麦」だという事を実感します。

柔軟性があり、変容する。黄色のも本来の小麦の色。

原料はシンプル。小麦と塩と水。少量の綿実油のみ。

その日の気温や湿度により、原料を微妙に調整し、安定した品質を「人が管理する

粉が香る素麺」を作る本多さんは、フレッシュ感を重んじます。

三年物など寝かせる高級麺は、寝かせないと美味しくならない小麦を使っているだけで、別段高い原料ではないし、技術も必要ないとの事。

品質よりも「売り方・見せ方」なのですね。

 

これはそうめんの「ふし」これだけを大量に販売するメーカーもあるそう。 

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今、島原素麺の小麦はオースト、カナダ、USAなど、ほぼ外国産小麦を使っています。

国産小麦よりも外国産の小麦の方が安定していて、味が良いそう。

小麦の場合「旨さ」で言うと外国産になるのでしょうか・・・

日本のパンも外国産。

国産小麦使用のパンや、麺を選んでいるけど、大量消費されている小麦食の王座にはやはり外国産が。

本多さんも、国産小麦の素麺も作り始めていますし、健康ブームの今、雑穀を混ぜた素麺も。

伝統の技術を守りながら新しいチャレンジも始めています。

 

島原素麺のほとんどは、関西の某そうめんに化けて世に出ています。

卸が大量に島原から買い付け、あちらから発売する。

島原は販売力がなく、関西にはあったという事。

そして、島原には伝統の製造技術が残り、関西には技術の継承が少ない理由でもある。

長い年月がたつと、どちらが良いかわかりますね。

 

加工品の業界ではお茶も同じ、一袋に同量入っていれば、売る人が好きな名前を付けられる。半量は鹿児島茶の「静岡茶」があり「宇治茶」がある。

そのような加工品の矛盾、そろそろなくなりそうです。

国も青果と同じ産地証明を加工品にも適用始めました。

その時に「島原そうめん」というそのままの名前で全国的にどこまで販路が広がるか・・・

 

静かに伝統の技術を継承する地「島原

本多さんの素麺は「島原の糸」というブランドで販売されています。

作った人が味になるのが食品。

食への安心感」が必要な今、島原の素麺も大きな節目を迎えているのかもしれません。

本多さんの温厚な人柄、おかあさんの優しさがこの味。

国産小麦ではないけれど、本多さんの技術で作ったそうめん、旨いです。

ありがとうございます。

 

最後に七夕が「そうめんの日」のワケ

七夕は中国から伝わった彦星(牽牛)と織姫の星祭り。

竿竹に短冊を飾りつけ、七夕飾りをする。その短冊には「願いごと」を書き成就を祈る。

加え、「そうめん」を糸にみたて「芸事(機織)が上手になるよう」小麦は毒を消すといった言い伝えから「健康を願い」また、年一度の彦星と織姫のデートにあやかって「恋の成就を願い」行事食である「そうめん」を食べた。

 

よし!今晩は本多さんのそうめんを大量に食べるゾー! 

その前に短冊、書かなきゃね。

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