エコバイ

つたえる

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作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。

豊穣の地@福岡県

空が高い!

これは7月の福岡県浮羽市(うきは)

綺麗な山でしょ?耳納連山。

水田の向こうに柿園が広がり、その奥は山です。

ここ浮羽、隣の朝倉は九州でも有数のフルーツの名産地。

甘柿の出荷量日本一、巨峰発祥の地でもあります。

その他、いちぢく、梨、桃、イチゴにメロンにリンゴなどなど。

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筑後平野は九州でも有数の米処。

日本酒の製造も盛んです。昔に比べてだいぶ減ってますが。

そんな筑後をグルーッと廻りました。

 

楽しみにしていたのは有明海に近い大川市のお酢屋さん「庄分酢」さん

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杉ダルや甕を使って、無添加の自然発酵のお酢を作っています。

酢作り300年の歴史。

「日本酒」と「純米酢」の原料は全く同じ。

アルコール発酵か?酢酸発酵か?の違いだけ。

とてもワクワク楽しい時間を過ごさせて頂きました。

発酵は温度管理。ココがキーポイント!

温度により日本酒になったり、お酢になったりするのです。

屋外で天候にまかせて管理するのは難しい・・・

でもここではやってます。

 

庄分酢の高橋社長。

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有機純米黒酢の甕を開けて下さいました。

柿渋の紙蓋を開けて出てきたのはコレ!

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綺麗な酢酸菌!!!この膜が酢酸菌なのです。

活性しているものを見たのは初めてかも。

無数にある菌の中でも優秀なものを培養しているそう。

優秀な菌はツルっとしていて、綺麗に光っている。

職人さんは「見れば分かる」らしい。

さすが300年の歴史。すごかー!

 

店構えも歴史を感じさせます。

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ここにはかなりおススメ。

2Fではここの美味しいお酢を使ったお料理をフルコースで食べる事ができます。

デートにいいかもネ!

 

そして、次は真逆の北九州方面へ。

粕屋郡新宮町、森農園さん。

柑橘を中心にりんご、いちぢく、キウイ、ブドウ、すもも、洋ナシ、梅もあります。正にフルーツランド!

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まだ青いですね。葉っぱを見て下さい。

勢いが違います。

30種類以上の柑橘を栽培しています。

この地域は山見阪ネーブルという真っ赤なネーブルの生産地。

でも最近は作る人が少なくなっているそう。

柑橘は色が濃い方がよく売れます。だから発売当初は良かったのですが、栽培が難しく、他にも赤くて甘い品種が出たりして、今ではこの地区も数人しか栽培していないそうです。

よく聞く話ですね。柑橘は品種改良がとても盛んです。

売れるものに品種を変えていくご時世。

柑橘は枝を継いで作れますから。

 

森さんは微生物発酵肥料を使っています。

だからご紹介して頂きました。

エコバイ商品の真骨頂、微生物発酵肥料です。

 

これはリンゴ。ツガルです。

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先月でこの色。すでに収穫終わっている頃ですね。

福岡でリンゴ栽培は難しい。ここでは良くできていました。

 

キウイ。ゴールドです(中は黄色)

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 こちらは青。

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モシャモシャした毛がかわいいですね。動き出しそう!

 

そしてこれはサルタンというフランス種のいちぢく。

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福岡ですので、ブランドいちぢくの「とよみつひめ」も。

今頃は完熟している時期ですね。

 

こちらが森さん。

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一山、丸ごと森農園の果樹園。

毎年、数回台風が直撃する福岡。

リスクヘッジで一山丸ごと果樹園にしたそうです。

どの方向から来てもどこかが残ってくれる。

農業は天候商売。

リスクがあるのは当たり前で、その対処法を備えた上で経営する。

健全な農業経営です。

 

そして、森さんは楽しんでる。

柑橘以外のフルーツは「自分が食べたいから」だそう。

しかも趣味?の範囲ではない品質でした。

 

森さんの果樹園は除草剤を使いません。

草ボーボー。ジャングル状態。

遠目では、どこにみかんがあるのかわかりません。

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今の時期はこの草が生育に重要な役割を果たします。

必要がなくなった適期に一斉に刈るそうです。

枝も大きく伸ばします。

ここが一番驚いた部分。

枝を大きく伸ばすと収穫の手間がとても大変なのです。ですので、うちと取引のある柑橘農家さん達は自分の足で立って収穫できるサイズにしか枝を伸ばしません。

「実が付けば、重くしなって下がってくるので収穫に脚立は必要ない」との事。

それに「樹や枝は、ある程度大きくしないと美味しい実がつかない」とまで・・・

う~~~~ん。

農家さんはみんな社長。

それぞれのやり方で自分らしい子供たち(果実達)を成長させます。

目からウロコの栽培法。スゴイなあ。森さん。

ありがとうございます。とても勉強になりました。

 

それともう一つ、収穫が待ち遠しいのは、コレ!

サクランボみたいに実がついてるでしょ?

これはグレープフルーツです。

日本のグレープフルーツ!

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グレープ(ぶどう)みたいに実が付くから「グレープフルーツ」

正にそんな感じ。

国産ですよー!コレ!

あー楽しみ~。ほんに楽しみ!

どんな味、香り、触感なんだろう???

火を入れたらどんな変化があるのだろう???

こんがり焼いて、肉に添えたら美味しいかも・・などと妄想は広がります。笑

 

ワクワクできる新しい農家さんや、調味料メーカーさんにも会えて、7月の九州も充実の日々でした。

 

九州にいる貴重な1週間を1秒でも無駄にしたくなくて、いつもパンパンにスケジュールを入れるのですが、9月の九州ではちょっと自分の為に時間を作ってみようと思っています。

 

たぶんその方が、もっと皆さんに喜んで頂ける仕事ができそうな気が・・・

と言いつつも、いつものように畑を走り回っていたりして。

 

オンとオフの区別がつきにくい仕事でもあります。

でも楽しいから。それでよか!

スバラシイ生産者とお話するとたくさんの「元気」を頂きます。

いつもありがとうございます。

 

森農園さんのフルーツは9月14日~15日、福岡のベイサイドプレイスで開催する「フランスレストランウィーク」イベントに登場予定。

http://www.francerestaurantweek.com/kitchencar/

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