作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。
雨の時期、しっとりとした糸島に向かいました。
あまりにも身近な糸島。福岡市から車でたったの30分。
なのにこの贅沢な「食が生まれる地」があります。すんばらしいアクセス。
福岡市と佐賀県唐津市に挟まれた「海と山」に恵まれた生産地。
福岡時代、週末毎に訪れていた地域でもあります。
食材の宝庫(九州ではどの地域も)ここは「福岡市の台所」とも呼ばれています。
昨今、東京からの移住者や陶芸や工芸のアーティスト達が多く集まる場所でもあります。若いご夫婦を多く見かけるのも嬉しいですね。
福岡人には、青春の思い出かも?二見ヶ浦や芥屋の海岸とか。いろいろね。
登る朝陽や沈む夕日を見たり・・・フフフ。
そんな場所ですが、今回は何となくお客様目線で巡って参りました。
まずは雷山千如寺。雷山と言う山の中腹にあり、この日はラピュタの城状態。
霧が立ち込め、幻想的なお姿になっておられました。
これは樹齢400年の「大楓」県指定天然記念物です。秋の紅葉が見事。
格式と伝統があるお寺ですが、住職がとてもフレンドリー。
有りがたいお話をたくさん聞かせて頂きました。ありがとうございます。
ご本尊の十一面千手千眼観音像は必見。
うちはここの無着色、無添加の御線香を愛用しております。
素直な香りで気持ちがスッとするのです。蚊もいなくなるような・・・
まずは清らかな気持ちになって、糸島を見てみよう。
とても良いスタートにしてもらいました。
糸島の特徴は食の観点から見ると、魅力的な加工品が多くあるという事。
それは素敵な素材を作る生産者がいる事になります。
日本一の売り上げを誇る直売所「伊都菜彩」
糸島の食の魅力を余す事なく見せつけてくれます。
雨なのに、お客様多かったー!嬉しいですね。
地元で乳牛を飼育している「糸島みるくぷらんと」のソフトクリームが店内にあります。
伊都物語(いとものがたり)と言うノンホモ牛乳、東京にもファンがたくさん!
このミルクを100%使った極旨ソフトがコレ!
おいしい牛乳を食べている感じ。さっぱりとした甘さが特徴。
ここは飲むヨーグルトなどもかなり人気。
お子様には発酵しているヨーグルトの方がおススメ。
見て下さい!質感が旨そうでしょ?
ジェラートを撹拌し、柔らかくクリーム状にしているので、ベースのミルクが堪能できる。なかなかこんな味、ないのです。
皆さん飾りのないこの味を求めているような。そんな時代なのかな・・・
それと九州のどこの沿岸部にも多く見かけるのは、かまぼこや魚天などの「練り物」
九州では長崎が有名ですね。
糸島も目の前の海で捕れたエソ(かまぼこの最上の原料)を手作業で捌き、石臼で搗き、鮮度バツグンの作りたてを販売してる。
ここは「かまぼこの村島」
息子さんが黙々と魚をさばいておりました。この手間こそがここの味。
どれにしようかな?といつも迷うのです。おススメはクジラ天。
少ししか入っていないクジラが良い。
紅ショウガ天とギョロッケもヤミツキに。
手作り天ぷらのおでんばかり食べていたので、ハードルが高すぎてなかなか東京では好きな店に出会えない。屋台のおでん屋もないし・・・
当たり前に贅沢な暮らしができる場所が「糸島」
お金をかけた贅沢ではなく、作り手の顔が見える「安心感」こそがとても貴重。
今回はミツル醤油の城君にもお世話になりました。
柿渋を塗った杉ダルで数年前から作り始めた本醸造の醤油。
コポコポと糀が生きてる音がします。
丸大豆と塩と麦だけ。醤油の原料はとてもシンプル。
だからこそ、蔵元により、味の違いがハッキリします。
糸島には糀から仕込む本醸造醤油を作る蔵が3ヶ所も。これはスゴイ事。
ここも作り手が「味」になっているようです。
それと糸島に来たからには外せない「うどん」があります。ふるさとの味。
ご存じの方も多いはず。「牧のうどん」糸島は本店。
地元の素材で美味しい出汁をとる。
元は製麺屋さんなので、麺はもちろん打ちたて茹でたて。
たくさん食べて、お腹いっぱいになってもらいたいからボリューム満点!
かけうどんはこの量で300円。麺はかなり多いですよー。
うどんなのに、麺の固さが選べるシステム。そして替え玉も。
お気に入りは「やわ麺のかけうどん」と「かしわ飯」という鶏肉の炊き込みご飯。
ねぎは入れ放題。テーブルにドーン!と置いてある。
厨房では無駄な動きが一切ない「うどん職人」がキビキビと仕事をしてらっしゃる。
強面ですが、気持ちは優しい。
「余ったけん」と言いながら細麺のかけうどんを下さった。
ここのうどんにはたまらない魅力があるのですが、それ以上にこの店が「糸島」を表しているようにも思う。
恥ずかしがり屋だけど、精一杯もてなす気持ちは持っている。
言葉は上手くないけど、真面目さと優しさはたっぷりある。
そんな場所かな。糸島って。
福岡の住みたい町ランキング1位になるのが良くわかる。
心地よいのです。全てがちょうど良い。
だからこれ以上都会にならないで欲しいのだけど・・・
むかーしから糸島は好きでした。
海も山も食も。
まだまだ、盛り沢山の魅力を秘めているのですが、後は訪れた方がどう感じて下さるか?
発見するほど好きになる。そんな魅力の糸島です。
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