作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。
初夏の日。
山口宇部空港を降りたら、小雨が降っていたので、採蜜ができるのか心配で・・・
「雨が降ってるからハウスの中でやってますー!」奥さんの声にホッとして。
到着する頃にはとっても良い天気に。
緑が新しい芽を吹きだして、活き活きとしています。
「これをどうぞ!」
廣田さんが下さったのは女王蜂の餌となる「生ローヤルゼリー」
なんと!女王蜂の王台の中にある希少な栄養分!
これ、見えますか?白いのがそのローヤルゼリーです。
食べてみると・・・クリームのようななめらかさ。
ほのかに甘い。酸味がある。嫌な味ではない。どちらかというと割と好き!
到着後すぐに貴重な「女王蜂パワー」を頂いて・・・
廣田さんの畑は二度目ですが、とても良い環境で蜂を飼っています。
今日はレンゲの蜜を採るという事で手伝う気満々で伺ったのですが、邪魔してしまいましたね。
すみません。
西洋ミツバチは単一の蜜を採ってくるとても賢い蜂。
レンゲの時期はレンゲだけ。だから○○蜜と言えるのです。
でも採取する時期を外すと、単一蜜にはならず、皆さんご存知の「百花蜜」になります。
これはこれで、いろんな花の蜜がミックスされていて、その年の状況などで味が変わる貴重な蜜なのですが、単一の方が価格は高い。
それと日本ミツバチの蜜もとても高いですよね。
あれは希少性だそう。
そもそも蜂が蜜を採る量も少ないし、単一の蜜だけをとる習性がないので、必ず百花蜜になるとの事。
廣田さんです。
ネットをかぶっているので、誰だかわかりませんね。
さあ!いまから蜜を採ります。
見て下さい。この小さく可愛い蜂を。
廣田さんの蜂は大人しくてとても可愛いです。
これは働き蜂。
羽で風を送り、水分を飛ばし濃縮した蜜は花粉と蜜で作った「蜜蝋」で蓋をします。
その中にはトローリとした美味しいレンゲ蜜が満タン!
これ見て下さい。
キラキラ光って美しい!
蜜蓋を切った状態で、遠心分離機で蜜を採りだします。
廻すのは人間。
ご夫妻で力を合わせ、渾身の力を込めて廻します。
そして、巣から飛び出しタンクに貯まった蜜は
堰を切ったかの様に勢いよく流れ出て
綺麗でしょう?
キラキラと黄金色に輝く蜜。
どんどんたまっていきます。
採れたての蜜を食べさせてもらいましたが、何とも軽やか!
とても上品な味わい。
クリアな蜜は上質の証。
レンゲの香りが広がります!フレッシュ感バツグン。
西洋ミツバチには三種類の蜂がいます。
一つはもちろん「女王蜂」ですね。
一群に一匹だけ。
ハッチが会いたかったのは一人しかいない母親の「女王蜂」
群れのボスで、全員の母親です。
どんだけ産むの?というぐらい卵を産みます。
春になると毎日1500~2500個ぐらい。
それと「働き蜂=雌蜂」です。
その名の通り働きっぱなしの蜂ですね。この蜂には頭が下がる。
餌を運んできたり、食料の管理(蜜を凝縮したり、蓋をしたり、花粉を詰めたり)、育児、警備、掃除、巣作りなどをしています
せっせと働きづめです。
ファミリーの身の回りの事からセキュリティまで、全てこの蜂がします。
えらか!
これはあまり知られていないかもしれませんが「雄蜂」
一群に数十~数百匹います。
雄蜂は、働き蜂から餌をもらい、巣内ではこれといった仕事をしません。
昼下がりに散歩に出かけ、働き蜂に食させてもらっている。
仕事は女王蜂との交尾ですが、交尾すると死んでしまいます。
交尾しない蜂は、秋になると巣から追い出されます。
・・・なんと!!
雄は切ないねー。
たぶん、ハッチは雄蜂・・・そんな気がする。
さて
採った後の板状の巣は、次の為に綺麗に掃除し、整えて箱に戻します。
巣を綺麗にするのは奥さんの役目。
息の合ったやりとり。
夫婦で力を合せて養蜂業に取り組んでいます。
煙が苦手な蜂さんは巣箱の奥に引っ込みます。
こんなにたくさん表にいたのですが・・・
飛び回っている様は見えますか?
巣を取り出すと「何するんだ!!」的に一斉に飛び立ちますが、少しすると大人しく。
蜜がスッカラカンになったので、午後には働き蜂がまたせっせと新しい花蜜を求め出かけて行きます。
いってらっしゃい!
蜜蝋などで作った巣のかけらが蜜に入りますが、こうやって少し置いておくと、浮遊物が上がってきます。
ブクブクブク。活きてる証拠。
ここから何段階も、綺麗になるまで濾します。
不純物が一切なくなった後、瓶に詰めて、出来上がり!
これは出荷を待つはちみつです。綺麗でしょう?
この一連の仕事を見ていると、夫婦で作る味なのだとわかります。
はちみつの業界では品質にランクがありません。
養蜂家その人がクオリティ。
真面目に丁寧に大切に養蜂業をしてらっしゃる。
廣田さんは御父様の代からの養蜂家です。
農業の世界でも果実などは蜂の力を借りて受粉します。
薬品で受精することはできますが、メロンなどは蜂の巣箱がハウスの中にある事も。
自然な形で交配を望む生産者にとっては蜂はとても大切な生き物です。
でも蜂は花が無いと生きられない。
合成飼料があるわけではなく、天然自然の花蜜が主食となる蜂は自然環境にとても影響されます。
廣田さんは花を植える所からこだわり、はちみつを採っています。
養蜂現場には近年の環境変化で大変な事がたくさんあります。
農業でも同じですね。
とにかく蜂にとって良い環境を・・・
とても良いです、この蜜。
これからこの純粋はちみつを使った加工品を作ります。
有名処で、HACCIというメーカーがあります。
ここのチョコレートを頂いた事があるのですが。
とても美味しく大好きだった。
はちみつの味がしっかりして・・・
あらゆる可能性がある。
目指せ!下関のHACCI!
高品質な「家族の味」を。
ありがとうございます。
また伺わせて下さいね。
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