作物の生産から食卓へ。つくる事は「人の手」を繋ぐリレー。種を撒き、育て、収穫する。そして、調理する。「人の手」が繋いだものが形を変えていく事。
宮崎県の高千穂地域周辺(高千穂町・五ヶ瀬町・日之影町)は釜炒り茶の産地。
釜炒り茶は、最も古いお茶の製法で作られるお茶。
蒸して揉むのではなく、炒ってもむのです。
炒る事により、独特な「釜香」カマカと呼ばれる香りが際立つ。
「釜炒り茶の師匠」と呼ばれる興梠さん。
興梠さんからの教えを請いに、全国から生産者が集まる。
あらゆる種類の茶葉を、基本理念に従い応用する技が半端ない。
彼のお茶、世界中にファンがいます。
おそらくもともと持っている野生の勘が鋭いのか、「具合」とか「感覚」から拾う茶葉そのものの情報が多い。
この茶葉は、もう少しこうしたらいい、まだ萎凋させよう、確かな経験と自分の中にあるあらゆる情報の下、作り上げるお茶を狙った所に着地させる。
五ヶ瀬ワイナリーの前に広がる茶畑は美しく、天気が良いと遠くに阿蘇が見える。
先日、茶園に居合わせた関西の生産者さん、「10年以上、毎年ここに通っているけど、そのたびに新しいお茶がある」とのこと。
洋一さんの茶づくりは、シンプルにシンプルに、どんどんそぎ落としているように見える。
追加しているのではない。
そぎ落としている段階で同じお茶でも新しく見え、更にストレートに伝わってくる。
お茶のたまらない魅力を伝え続ける方。